コラム05PRの底力。~広告はウソつき~

調査などによると「広告は信じない」と言うユーザーの声が多いようですが、その【広告】を大辞泉で引くと、
1)広く世間一般に告げ知らせること。
2)商業上の目的で、商品やサービス、事業などの情報を積極的に広く宣伝すること
とあります。

では【宣伝】は?と引くと、
1)商品の効能や主義・主張などに対する理解・賛同を求めて、広く伝え知らせること。
2)事実以上に、また、事実を曲げて言いふらすこと。
とあります。

えええっ?「事実を曲げて言いふらすこと」と、辞書に書かれているのでは、消費者が「広告は信じない」と言うのも当然ですね。

では、PRって何?

辞書の【広告】の項には、ずらりと広告の類語が並んでいて、今さらながら面白く感じます。

1)広報・公告・布告・告示
2)宣伝・PR・アドバタイジング・コマーシャル・CM・プロパガンダ・触れ込み・アナウンス・周知・・・
とあります。

1)と2)の区分は、商業目的か否かの区別。
もっと厳密に言うと、広告の発信で何らかの反応を求めるという、目的意識が明確なのが、2)のグループのようです。
我々の議論は、当然この、2)の方になるのですが、あれ?待てよ。「PR」の日本語訳は何?≒「広報」?
でもそれって、1)のグループにある言葉ですね、
「PR」も、2)のグループの中に含まれているし・・・。
何だか頭の中が混乱して来てしまいますね。

ここで、「やはりな・・」と、気づくことがあります。
それは、辞書の中では、広告や宣伝、PRなどの用語の解説の全てが、
「情報とは、“送り手”と“受け手”がはっきりと分かれているもの」
と言う基本認識で説かれている点です。

明らかに20世紀の古い認識ですね。
使い手の道具であるネットが浸透し、SNSをはじめとする使い手主導の情報発信が当たり前の現在では、まったくそうではありません。
我々がこれからの「広告や宣伝、とりわけ「PR」を考える上では、この点はしっかりと認識して臨まなければ間違うと思います。

PR 1st. Advertising 2nd./by アル・ライズ

PR 1st. Advertising 2nd.とは、“ターゲティング”や“ポジショニング”など、現代マーケティングの基礎となる理論を世に広めた、著名なマーケティング戦略家のアル・ライズが提唱した概念です。

曰く「広告ではブランドはつくれない。
ブランドをつくるのはPRであり、広告はそれを維持できるに過ぎないから、“PR 1st Advertising 2nd.”である」
さらに「マーケティングコミュニケーションにクリエイティブはいらない。
制作者の自己満足で飾った言葉は、かえって事実の理解を妨げる」とまで言いました。

確かに、スティーブ・ジョブズがi-padを語る時、そこにあるのは、彼の真摯な言葉と、リンゴのマークと、商品のみでした。

ファクトで語ると言うこと

彼が言った“広告は効かない、PRが重要”とは、ウソや誇張や飾った言葉はいらない、企業の姿勢そのものや、企業が取り組んでいるテーマの重要性や、目指しているゴールへの共感を得ることが重要だと言うことです。
扇動してモノを売るPRではありません。

つまり、事実だけが評価につながる。
事実に気づき共感してもらうためには、飾った言葉(広告)よりも、まっすぐな発信(PR)が有効だと言うことです。
そしてそのためには「語るべき事実」「語るに値する事実」を、どれだけ持てるかと言うことですね。

薬事法の規制逃れのために、ワイドショーでの露出を狙ったり、人気タレントに報酬を払ってブログにレビューを書かせるような、あざとい「戦略PR」とは、まったく似て非なる考え方です。

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